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2023 展示圃観察日記(4)

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 〈9月21日(木)〉 札幌では9月に入ってから高い気温と不安定な天候が続いていましたが、半ばを過ぎた頃から、ようやく日中も冷涼な空気を感じられるようになりました。 明け方にかけては気温が12、3℃にまで下がる日も出てきましたので、コロナやインフルエンザが流行していることも相まって、体調管理がますます大切な季節です。 さて、雪印メグミルク㈱「酪農と乳の歴史館」前の展示圃は8月1日の2番草刈取りから51日となり、今年最後の3番草の刈取り時期を迎えました。 果たして3番草の収量、そして今年の総合収量はどうでしょうか。 刈取り前の様子 くどいようで申し訳ありませんが、開花して完全に刈遅れの理由につきましては、1番草刈取りの記事をご覧ください。 1番草刈取りの様子 早速、鎌で刈取り、収量の計測をしていきます。 刈取り後 計測結果は、965kg/10aでした。 1番草、2番草に続き、過去の結果と比較しても非常に良い収量です。 今年のまとめとしまして、直近3か年の計測結果を整理してみます。                       表1.過去3カ年の収量計測結果 表外の年も含めて2017年(4,912kg/10a)以来の高収量です。冒頭にも書きました今年の長引いた暑さ、そして適度な雨量、さらには昨年のアルファルファと赤クローバーの苗の移植が影響して、今年1年の収量に結びついたものと思います。 昨年の3番草刈取りの記事は下記リンクよりご覧ください。 22年3番草刈取りの様子

2023年8月のTHI推移(北海道)

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   酪農総合研究所では北里大学との共同プロジェクトを実施しており、全国の酪農家にご協力いただき、牛舎に通信型の温湿度センサー端末を設置して、THIをモニターしている。  THIとストレスの関係は、    72以下(ストレス無し)、73-78(軽度)、79-88(強度)、89以上(超強度) という基準で判断している。 全国の観測地点のTHIデータモニタリング結果を、今後の暑熱対策の参考として情報提供していく。   さて、2023年8月のTHIがどんな推移を示したのか、まとめたので紹介する。    今月は、宮崎・秋田編と北海道編とに分割してお伝えしているが、これからは北海道編である。  全国の気象概況は、宮崎・秋田編に記載しているので参照してもらいたい。    さて、北海道内THI測定地点での8月のTHI推移は、 大樹町の8月の平均気温は22.3℃(平年差+3.5℃)でかなり高く、降水量 は平年比79%と少なかった。 大樹町の平均THIを見ると暑熱ストレスの無い日は約10日程度、最低THIは 73を超える日が多く、概ね軽度ストレスが継続していた。 ただし月後半には最高THIが80を超える日が多く、日中は強い暑熱ストレス があったものと考えられる。 昨年との比較では、月初と後半とで平均THIがかなり上昇している。 やはり今年は、昨年よりもはるかに猛暑であったことが分かる。 標茶町の8月の平均気温は21.9 ℃(平年差+3.5℃)で かなり 高く、 降水量 は 平年比73%と少なかった。 大樹町同様に標茶町でも、平均THIを見ると暑熱ストレスの無い日は 約10日 程度 、最低THIは73を超える日が多く、概ね軽度ストレスが継続していた。 また、月後半には最高THIが80を超える日が多く、日中は強い暑熱ストレス があったものと考えられる。 昨年との比較では、月初と後半とで平均THIがかなり上昇している。 大樹町と同様に今年は、昨年よりもはるかに猛暑であったことが分かる。 興部町の8月の平均気温は21.7 ℃(平年差+2.9℃)で かなり高く、 降水量 は 平年比177%とかなり多かった。 興部町では、上旬後半から中旬前半にかけてTHIが低く推移しストレスの 少ない日が続いたものと思われる。しかし、道内他地域と同様に月後半には 気温が上昇し、軽度ストレスを受ける日が続いた。

2023年8月のTHI推移(宮崎・秋田)

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   酪農総合研究所では北里大学との共同プロジェクトを実施しており、全国の酪農家にご協力いただき、牛舎に通信型の温湿度センサー端末を設置して、THIをモニターしている。  THIとストレスの関係は、    72以下(ストレス無し)、73-78(軽度)、79-88(強度)、89以上(超強度) という基準で判断している。 全国の観測地点のTHIデータモニタリング結果を、今後の暑熱対策の参考として情報提供していく。   さて、2023年8月のTHIがどんな推移を示したのか、まとめたので紹介する。 その前に、全国の気象概況を振り返ることにしよう。  気象庁が公表した2023年8月の天候によると、 気温は北・東・西日本でかなり高く、北日本と東日本では1946 年の統計開始以降、8 月として 1 位の高温であった。降水量は台風6号・7号の影響で沖縄・奄美でかなり多く、 東・西日本太平洋側で多かった。一方、東日本日本海側で かなり少なく、北日本日本海側と北日本太平洋側で少なかった 。日照時間は 北・東日本日本海側と北日本太平洋側でかなり多く、東日本太平洋側で多かった 。  今月は、宮崎・秋田編と北海道編とに分割してお伝えする。   まず宮崎・秋田の、THI測定地点での8月のTHI推移は、 宮崎市の8月平均気温は27.8℃(平年差+0.2℃)で平年並、 降水量は 平年比345 % とかなり多かった。ひと月を通して平均THIが75~80程度 であり軽度から強度のストレスが継続したものと 考えられる。 宮崎では、昨年の8月と比較して大きな変化がなく、例年通りの 暑熱対策が施されていれば対応できたのではないかと思われる。 秋田市の8月平均気温は30.0℃(平年差+5.0℃)とかなり高く、 降水量 は 平年比 13% とかなり少なかった。ところどころ最高THIが90を超える 超強度ストレスの日 が あり、 秋田では過去に経験したことのないような 暑熱ストレスがあった だろうと 想像できる。現状の対策では不足と 感じ られたかもしれない。 昨年と比較して今年はTHIが大きく上昇しており強度の暑熱ストレスが継続 した。この状況が来年も続き、これが当たり前になるようなら、更にレベル アップした暑熱対策が必要になってくる。   冒頭に記載した通り、今年の 北日本と東日本では1946 年の統計開始以