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2022 展示圃場観察日記(19)

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  〈9月22 日〉  今日、展示圃場の3番草の刈取りを行いました。  2番草の刈取り(8月5日)から48日後の刈取りです。  今回、3番草の反収は851kgでした。今年1年間を振り返ると、1番草は前年を下回ったものの2番草、3番草で挽回し、年計は前年を超える収量となりました。   1番草:2,014kg(前年差△169kg、前年比92.3%)   2番草:1,418kg(前年差+640kg、前年比182.2%)   3番草:  851kg(前年差+114kg、前年比115.8%)   年 計:4,283kg(前年差+585kg、前年比115.8%)  この原因として、もちろん今夏の天候要因もあるでしょうが、今回は1番および2番草刈取り直後に定植した赤クローバーおよびアルファルファが収量増加に奏功した、と少しばかりひいき目に考えたいところです。    さて、先日の業界紙に『2022年産(新物)米国産乾牧草(アルファルファ、チモシー、スーダン)の輸入価格が1トン当たり100,000円前後と記録的な高値になった』と載っていました。  これは急速な円安基調、産地相場高および他国の旺盛な需要が原因とのこと。今後の輸入乾牧草の価格は為替相場や作況を受けると同時に、ますます他国の引き合いが強くなり価格が不安定になるであろうことを考えると        「今後はさらに自給飼料生産の意味合いって増すんだろうなぁ…」 と、そんなことをつぶやきながらの3番草の刈取りでした。

8月のTHI推移

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  酪農総合研究所では北里大学との共同プロジェクトを実施しており、全国の酪農家にご協力いただき、牛舎に通信型の温湿度センサー端末を設置して、THIをモニターしている。  THIとストレスの関係は、    72以下(ストレス無し)、72-78(軽度)、79-88(強度)、89以上(超強度) という基準で判断している。  前月に引き続き、8月のTHIがどんな推移を示したのか、まとめたので紹介する。  その前に、8月の全国概況を振り返ることにしよう。  気象庁が公表した8月の天候によると、西日本では平均気温が“平年差の高い記録”を更新するほどの高温であった。また、降水量は北・東日本日本海側と北日本太平洋側でかなり多く、東日本太平洋側では多かった。北海道太平洋側と東北日本海側では、平年と比べて最も多い降水量を記録した。  また夏季間(6~8月)を通して、東日本・西日本で平均気温はかなり高く、西日本では統計開始以来最も高い気温を記録した。降水量は、8月を中心に繰り返し低気圧や前線の影響を受けた北日本の日本海側と太平洋側で、かなり多かった。 さて、THI測定地点での8月のTHI推移は、 宮崎市の8月平均気温は29.2℃(平年差+1.6℃)でかなり高温で、 降水量は平年比15%とかなり少なかった。平均THIが月間通して ほぼ80程度であり、強度ストレスの状態が続いたと思われる。 栃木県宇都宮市の8月平均気温は26.6℃(平年差+0.6℃)と高温で、 降水量は平年比45%とかなり少なかった。ひと月通して平均THIは 70~80の間にあり、上旬には最高THIが80を超え、たびたび 強度ストレスを受けたが、その後はおおむね軽度ストレス状態の日が 多くなってきたように思われる。 秋田市の8月平均気温は25℃と平年並み。降水量は平年比181%と 非常に多く、日照時間は平年比68%と非常に少なかった。 平均THIを見ると月の始めには強度ストレスの日が多かったが、 お盆を境に徐々に低下した。ただ、最高THIを見ると中旬過ぎまで 80を超える日が多く、昼間のストレスは強かったと思うが、 最低THIが月後半には70を下回り夜間のストレスは ほぼ無かっただろうと推測される。 大樹町の隣の広尾町の8月平均気温は19.8℃(平年差+1.2℃) であり高かった。また、降水量は平年比186%と非常に多かった