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10月のTHI推移

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  酪農総合研究所では北里大学との共同プロジェクトを実施しており、全国の酪農家にご協力いただき、牛舎に通信型の温湿度センサー端末を設置して、THIをモニターしている。  THIとストレスの関係は、    72以下(ストレス無し)、73-78(軽度)、79-88(強度)、89以上(超強度) という基準で判断している。  前月に引き続き、10月のTHIがどんな推移を示したのか、まとめたので紹介する。  なお、北海道は先月の実績確認で終了しており、今月は府県のみの実績確認とする。 その前に、10月の全国概況を振り返ることにしよう。  気象庁が公表した10月の天候によると、気温は東日本で低く、全国的に気温の変動が大きくなった。降水量は東日本・西日本ともに少なかった。日照時間は西日本で多かった。 さて、THI測定地点での10月のTHI推移は、 宮崎市の10月平均気温は20.2℃(平年差+0.2℃)で平年並、 降水量は平年比44%と少なかった。月間通して最高THIでも 80を超えることが無く、平均THIは月始めに73程度を示したものの、 その後は概ね70未満で推移したことから、月間通してストレスの 多くない状態であったと考えられる。 栃木県宇都宮市の10月平均気温は16.0℃(平年差-0.7℃)と 平年より低く、降水量は平年並であった。 10月始めの4日間を除いては、最高THIでも70を超えることが殆ど無く、 ストレス無しの状態で経過したと思われる。 秋田市の10月平均気温は14.2℃(平年差-0.3℃)平年並み、 降水量は平年比103%と多かった。 栃木の例と同様に、月始めだけがやや暑い日があったが、 月を通して最高THIでも70未満であり、暑熱ストレスは無いと思われる。  さて、これらの結果より、栃木・秋田において10月になると、宮崎でも10月後半になると、暑熱ストレスの影響が殆ど無い状態となることがはっきりしたので、今月をもって、今年度のTHI推移実績報告は終了する。 次年度は、気温が上昇する前の4月より、まず府県の実績報告から再開することとしたい。    今年報告した実績結果を、次年度の暑熱対策についての判断材料のひとつとして見ていただければ幸いである。