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6月, 2023の投稿を表示しています

2023 展示圃場観察日記(2)

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〈6月21日(水)〉 札幌は夏日予報の天候の中、展示圃は1番草刈取りの時期を迎えました。 “刈取りの時期”と言っても、適期というわけではありません。 展示圃は雪印メグミルク㈱「酪農と乳の歴史館」前にあるため、歴史館をご見学の方々に『アルファルファ“ケレス”』の綺麗な紫の花もご覧頂きたいということで、開花からしばらくしてから収穫しています。 刈取り前の状況 とはいえやや倒伏が見られる程に伸びてしまいました。それでも昨年より6日早い刈取りです。 また、土壌は干ばつ気味で「干ばつになると虫が多い」と言われるそうですが、確かに例年見ないテントウムシの幼虫が何匹か葉に付いていました。 テントウムシの幼虫 早速、鎌で刈取り収量の計測をしていきます。 刈取り後 計測結果は、2,377kg/10aでした。 昨年より6日、一昨年より18日早い刈取りでしたが、それよりも多い収量を記録しました。 昨年1番草後にアルファルファ”ケレス”と赤クローバー”アレス”の苗を移植した効果が出たのだと思います。 昨年、一昨年の1番草刈取りの記事は下記リンクよりご覧ください。 2022年の刈取りの様子 2021年の刈取りの様子

2023年Ⅰ番草収穫始まる

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 2023年6月6日、Ⅰ番草の収穫の立ち会いのため十勝南部・大樹町に行ってきました。 6月6日に北海道農政部が発表したⅠ番草の生育状況(6月1日現在)は、十勝地方は3日早く推移しているとのことでしたが、その発表のとおり現地では例年より早めに収穫作業が開始されました(写真1)。 写真1 我々が立ち会った牧場はコントラクタに収穫作業を依頼しているのですが、圃場の草種の関係から地域で最も早く収穫作業に取り掛かり、スタックサイロにて調製しています。 そのサイレージ調製は乳酸菌とギ酸を添加、丁寧なトラクタによる横踏み、サイロの高さは1m50cm以下を徹底するなど、経営主の意向を汲んだ作業で良質なサイレージが期待されます(写真2)。 写真2

2023年5月のTHI推移

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  酪農総合研究所では北里大学との共同プロジェクトを実施しており、全国の酪農家にご協力いただき、牛舎に通信型の温湿度センサー端末を設置して、THIをモニターしている。  THIとストレスの関係は、    72以下(ストレス無し)、73-78(軽度)、79-88(強度)、89以上(超強度) という基準で判断している。  昨年10月でモニタリングを中止していたが、府県ではそろそろ春が終わり梅雨の時期となっていくことから、モニタリングを再開し今後の暑熱対策の参考として実績を整理し情報提供していく。  さて、2023年5月のTHIがどんな推移を示したのか、まとめたので紹介する。  その前に、全国の気象概況を振り返ることにしよう。  気象庁が公表した2023年5月の天候によると、気温は北日本で高くなり、降水量は北日本太平洋側と沖縄・奄美でかなり少なかった一方、西日本日本海側でかなり多くなった。日照時間は北・東日本日本海側と北・東・西日本太平洋側で多かった。  さて、THI測定地点での5月のTHI推移は、 宮崎市の5月平均気温は20.3℃(平年差+0.0℃)で平年並、 降水量は平年比59%と少なかった。月間通して最高THIが 80を超える ことがほぼ無く、平均THIも月末に2日間だけ75以上となったが、 概ね70未満で推移した。よってこの時期はまだ月間通してストレスの ほぼ無い状態であったと考えられる。6月になると梅雨時期となるので そろそろ暑熱対策の準備を進めておくことが必要ではないかと思う。 秋田市の5月平均気温は15.4℃(平年差+0.2℃)平年並み、 降水量は平年比152%と多かった。この時期の秋田では最高THIが 75以上の日が数日間だけであり、 暑熱ストレスはほぼ無いと思われる。 東北地方の梅雨入りはまだ先になると思われ、暑熱対策準備も もう少し先でも支障がないかと思う。    西日本ではこの時期、暑熱対策の用意を始める必要があるだろう。本格的に気温・湿度が上昇する前に施設の点検や機器が正常に作動するかなどの確認を行っておくことが必要ではないか。  東北での暑熱対策はまだ先のことになるが、6月中には前もって各種点検を行うと良いのではないか。  北海道 の平均気温は秋田市よりも2~5℃程度低く、暑熱対策が必要となる気温・湿度ではないので、モニタリング結果の情報発信は次