シバムギは前に紹介したリードカナリーグラスとともに、北海道の牧草地に蔓延る雑草の代表格と言えます。姿はチモシーにそっくりで、遠目では判別がつかないのが難点です。地下茎で繁殖し、いつのまにかチモシーと入れ替わってしまっているということがあります。 また、草地更新時にディスク等で地下茎を切断すると、その刺激により発芽を開始すると言われています。 そこで、シバムギの地下茎を採取してきて、発芽試験をやってみました。 写真1は6月23日に採取した地下茎を1~5cmにカットして6月24日に栽培開始したものです。 写真1(6月24日撮影) 写真2は同様の地下茎を、可視可するためにガラスコップに移植したものです。 写真2(6月24日撮影) 写真3は写真3は約3週間後の状態ですが、変色し、腐ってきたような感じです。 写真3(7月14日撮影) 約1ヶ月栽培しましたが、発芽は確認されませんでした。 牧草の専門家に聞いたところ、地下茎を短くカットしすぎると発芽に必要な栄養分が不足するのではないかとのご意見でした。 そこで、今度は長めの地下茎で再挑戦してみました。 写真4は7月21日に採取し、翌日に移植したものです。 地下茎の長さは 上部 12cm 中央 18cm(容器にはいりきらないので、ループを作っています) 下部 9cm 写真4(7月22日撮影) 移植後 11日目の8月2日に発芽が確認され、8月4日に2本目、8月6日に3本目、8月12日に4本目が発芽し、本日(写真5)まで4本発芽しています。 室内栽培という大きな環境の違いがありますが、牧草地での傍若無人な振る舞いと比較すると、意外とおっとりとした繁殖振りです。 今後長期栽培して、地下茎の長さ、地下茎1本当たりの発芽本数をご報告したいと思います。 写真5(8月17日撮影)